美術館について

ミッション

弘前れんが倉庫美術館は、地域のクリエイティブ・ハブ(文化創造の拠点)となるために、活動の基盤として3つのミッション(使命)を設定します。

1. 建築の記憶の継承と、新たな空間体験の創出

・近代産業遺産である煉瓦倉庫の記憶を、未来へ継承
・建築と共振し人々の創造性を喚起する作品を通じて、新たな空間体験を創出

2. 地域の新たな可能性の開発と歴史の再生

・弘前および東北地域との対話を促し、その自然、文化、歴史を新たな視点から再生

3. 異なる価値観の共有と開かれた感性の育成

・先鋭的な技術や手法を用いた多様な表現活動を紹介
・異なる文化や世界との出会いや交流を生み出し、人々の開かれた感性を育む

特 徴

サイト・スペシフィック(場所性)
―「創ること」「見せること」「収蔵して歴史に残すこと」

建築や地域に合わせたコミッション・ワーク(新たな作品制作)を重視し、完成した作品を展示。さらに収蔵するという一連の流れによって、弘前ならではのコレクションを形成します。

タイム・スペシフィック(時間性)
― 異なる展示のリズムと柔軟な空間の使い方

煉瓦倉庫の可能性を最大限に生かした自由で柔軟な方法で空間を運用し、年間プログラムを構成します。また展示される個々の作品も、短期から長期まで、異なるリズムで展示します。

煉瓦倉庫についてのあゆみ

-実業家・福島藤助が発注したレンガ造りの酒造工場

明治・大正期、実業家・福島藤助により酒造工場として建設されたのが煉瓦倉庫のはじまりです。福島は木造ではなく、レンガ造りにした理由を「仮に事業が失敗しても、これらの建物が市の将来のために遺産として役立てばよい」と、当時語っていたといいます。

-日本初、大々的なシードル製造

戦後、りんご加工事業の視察のため渡欧した吉井勇が、フランスでシードルと出会ったことから、朝日シードル株式会社を設立。1954年、日本で初めて大々的なシードル(りんごの発泡酒)の製造が行われました。

-弘前出身の作家・奈良美智の展覧会を開催

その後、2002年。吉井酒造株式会社・吉井千代子社長(当時)の呼びかけにより、現代美術作家・奈良美智(弘前市出身)の展覧会が市民の手で開催され大きな話題となりました。

-弘前を代表する新しい文化施設へ

2015年、芸術文化施設として整備するため弘前市が取得しました。

  • 福嶋家蔵 Collection of Fukushima Family

    福嶋家蔵
    Collection of Fukushima Family

  • ニッカウヰスキー株式会社蔵
Collection of THE NIKKA WHISKY DISTILLING CO. LTD.

    ニッカウヰスキー株式会社蔵
    Collection of THE NIKKA WHISKY DISTILLING CO. LTD.

建築デザイン

歴史ある建物の改修は、建築家・田根剛が担当しました。「記憶の継承」をコンセプトに、高度な耐震補強と既存の煉瓦壁を内外無傷で保存する設計により、建物の記憶を継承し、未来の時間へと引き延ばす建築に仕上がりました。屋根は寒冷地においても耐久性と耐食性を備えるチタン材を採用。光の角度によって刻々と移り変わるシードル・ゴールドの屋根は、美術館のシンボルとなり風景に彩りを与えます。

  • 建築デザイン

    © NAOYA HATAKEYAMA

田根剛 [建築家]

田根剛[建築家]

1979年東京生まれ。Atelier Tsuyoshi Tane Architectsを設立、フランス・パリを拠点に活動。2006年にエストニア国立博物館の国際設計競技に優勝し、10年の歳月をかけて2016年秋に開館。また2012年の新国立競技場基本構想国際デザイン競技では「古墳スタジアム」がファイナリストに選ばれるなど国際的な注目を集める。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に「エストニア国立博物館」(2016年)、「Todoroki House in Valley」(2018年)、「とらやパリ店」(2015年)、「LIGHT is TIME」(2014年)など。フランス文化庁新進建築家賞、フランス国外建築賞グランプリ、ミース・ファン・デル・ローエ欧州賞2017ノミネート、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞、アーキテクト・オブ・ザ・イヤー2019など多数受賞 。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。

美術館のロゴはグラフィック・デザイナー服部一成氏が手がけました。
館名の上に乗る弘前の「H」が、文字列の長さに合わせて変化する有機的なデザインが特徴です。また伸縮する「H」の形は、人々の記憶を宿した煉瓦倉庫が美術館に生まれ変わる、その過去から未来へ続いていく時間軸を表しています。上下に移動しながら流れていく文字は、美術館の中を巡り、作品との出会いから生まれる心の動きをイメージしています。

服部一成 [グラフィックデザイナー]

服部一成[グラフィックデザイナー]

1964年生まれ。ライトパブリシティを経てフリーランス。主な仕事に「キユーピーハーフ」の広告、雑誌『流行通信』『here and there』『真夜中』のアートディレクション、三菱一号館美術館や新潟市美術館のVI計画、ロックバンド「くるり」のアートワークなどがある。毎日デザイン賞、亀倉雄策賞、ADC賞、東京TDCグランプリなどを受賞。

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