LECTURE

コレクション展 2026学芸スタッフによる現代アート講座 H-MOCAレクチャー

2026年9月26日(土)
各回 14:00–15:00(13:45 受付開始)
参加費無料・予約優先

  • コレクションをより深く知っていただく機会になることを目指して、2025年から「H-MOCAレクチャー」と題した連続講座を開催しています。弘前や津軽地方の文化や風土に触発されて生まれた当館のコレクションが美術の歴史の中でどのような位置付けにあるのか、世界のアートシーンと比べてみたらどう見えるのか、作品の制作背景や、社会とのつながりを多角的に読み解きながら、アートを探究する視点を育むことのできるプログラムです。

    [B]奈良美智《A to Z Memorial Dog》
    講師:澤田諒(当館テクニカル・ディレクター)
    日程:2026年9月26日(土)14:00−15:00
    場所:ライブラリー
    定員:15名

    吉野町煉瓦倉庫から弘前れんが倉庫美術館に生まれ変わる歴史の中で重要な位置を占める奈良美智の彫刻作品《A to Z Memorial Dog》。2007年に緑地に設置された後、現在は当館のエントランスで人々を迎えています。本レクチャーでは、本作の誕生から現在までの歩みを、初めて作成した「年表」をもとに紐解きます。さらに、現在展示されている展示台の制作プロセスや、巨大な作品がどのように搬入されたのかを、詳細な図面や写真とともに紹介します。地域とボランティアの熱気が生み出した、記念碑的作品の知られざる舞台裏とその魅力に迫ります。

    【過去の開催】
    [A]小沢剛《帰って来た S.T.》
    講師:佐々木蓉子(当館アシスタント・キュレーター)
    日程:2026年7月25日(土)14:00−15:00
    小沢剛は、ユーモアを交えながら歴史や社会を鋭く読み解く作家です。近現代史のなかでグローバルに活躍した人物をモデルにする「帰って来た」シリーズ(2013年〜)では、史実とフィクションを織り交ぜた「あったかもしれない物語」を構築してきました。弘前れんが倉庫美術館のためのコミッションワークである《帰って来たS.T.》(2020年)のモデルは、弘前出身の寺山修司(1935-1983)です。小沢は、寺山が1970年代にイランの演劇界に与えた影響に着目し、現地のミュージシャンや絵師たちと協働制作を行いました。小沢の作品において、活動初期から一貫する重要な要素が、「他者との協働」です。他者の意見をもとに描きかけの絵に加筆していく《相談芸術》(1990年〜)や、国内外で出会った人々と、料理の具材で銃を作り、撮影後に調理して食べる《ベジタブル・ウェポン》(2001年〜)など、他者とともに作品をつくる試みを続けてきました。
    こうした、他者や観客との協働の手法は、現代美術における重要な傾向でもあります。戦後ヨーロッパで生まれた「ハプニング」や「フルクサス」から、2000年代以降興隆してきた日本各地の芸術祭におけるアートプロジェクトまで、様々な形で展開しています。今回のレクチャーでは、美術史の流れや他の作家の事例と比較しながら、《帰って来たS.T.》の制作背景を紹介します。

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